好き!→LINEブログの残骸(2021.12~2023.3)

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「宮仕えでも心は自由」ーー中学時代の友人で、いまだ現役の大沢幸弘くんとランチ

 中学、高校の同期生たちは、みな、65歳を超えた。果たして高齢期を楽しく過ごしているのだろうか?コロナ禍もあり、音信が途絶えていた友人たちと久しぶりに会って話を聞いている。今日は中学時代の友人、大沢幸弘くん。
 彼が、中学校の校庭で陸上競技の練習をしている姿が一番、記憶に残っている。中学生なのに「紳士」で、秀才で、スポーツマンだった。早稲田高等学院では、バスケ部に入り、インターハイにも行ったらしい。
 1979年に三井物産入社。プラント輸出、エネルギー、情報産業部門にいたが、48歳の時にヘッドハントされて米マクロメディア社(当時)・日本法人社長に就任。しかし、ほどなくマクロメディア社はアドビ社に買収される。
 我々、昔からの友達は、彼の肩書きがたびたび変わるので、転職を繰り返しているのかと思っていたが、「転職は3回。買収したり、されたりで、会社は7社目」という。彼は著書の中で、「転職歴が多過ぎ、1社毎の勤務年数が短か過ぎて、40歳以降の転職に差し支えることもしばしば」と書いており、そのあたりはわきまえている
 大沢くんは2014年3 月、米ドルビー社・日本法人の社長にヘッドハントされ、現在に至る。
 日本企業と違って「定年」はないと言う。自分がいつやめるかを決めなければ終わらない。
 彼は、日本そしてアジアを統括する社長としてずっと仕事をしているが、本当に、好きなことを楽しんでやっている感じだ。
 2014年に出した「心が自由になる働き方」(かんき出版)を読むと、彼は、そういう生き方をしているんだ、と言うことがよく分かる。
 この本の中で、大沢幸弘くんは、「なぜか明るく元気で、少々のことでは『めげずに折れない』で、仕事の結果を出している人」の共通点を挙げている。
 「会社に雇われているサラリーマンでありながら、仕事の取り組み方が、まるで勤務先の会社から業務委託を受けている仮想会社のオーナーのような感覚の持ち主」ばかりだという。
 「勤めているのに、『自分の勤務先&上司』を顧客(クライアント)のように捉え、つねに満足させるよう行動)するというのだ。
 この距離感を会社勤めの時に持てれば、会社や上司の悪口や愚痴などは言わず、自分の責任で仕事ができる人間になれると思った。
 この本で特に面白いのが会社人生での財務諸表。
 例えば。「大切なことを大事にする人の損益計算書」の売上高の項目は「夢中になること、好きなことをすること、他人の役に立つこと、人に喜ばれること」。必要経費は「失敗、挫折、涙目、お詫び、叱責、我慢」。利益は(達成感、充実感、周囲の幸せ、笑顔、社会への貢献」。
 これに対し、「世俗的な成功ばかり追う人の損益計算書」の売上高は「得になること、稼げることをする、自分の役に立つこと、自分が喜ぶ」。必要経費は「失敗は他人に、逃げ足早く、詭弁・強弁、強欲」。利益は「優越感、自分だけの幸せ、ほくそ笑む、薄っぺらい名誉」。
 いいなあ、大沢くん、こういうところは中学時代から変わらない。
 彼はまもなく67歳になるが、バリバリの現役だ。アジアのこの地域のテコ入れを頼むと言われると断れず、そうすると、社長業はなかなかやめられないという。
 それでもいつか、社長をやめたら何をするの?と聞いた。
 ビジネスで付き合った人は大勢いて、起業しているような友人も多いと言う。だから、面白そうな仕事に誘われることが多いらしいのだが、「いまは社長だから受けられない」と少し残念そう。
 そうか。いまは受けられないような仕事をするのが夢なのかーー。
 仕事一途に見えるが、彼の定義だと、仕事は、イコール「夢中になること、好きなことをすること、他人の役に立つこと、人に喜ばれること」。だから、仕事をずっと自由なこころで続けることが楽しいと考えているのだろう。
 目の前にいるのが66歳になって衰えた友人ではなく、40代の元気な友人に見えた。
 きょうは築地にある彼の会社近くの寿司屋で寿司を奢ってもらった。




 興味深い彼の生き方の話に美味しい寿司。そしてドルビーシネマの魅力(近々丸の内ピカデリーのドルビーシネマの迫力がの立体音響で映画を見ようと思う!)。とても充実したランチだった。