役に立つか立たないかを考えすぎず、何にでも関心を持ちたい
大学の友人F君。同じマスメディアの世界で仕事をしていたが、彼は60歳で仕事をやめた。思い切ったことをする奴だと思った。
定年時、私はやり残したと感じることが多く、再雇用で5年、新聞記事を書いていたが、新聞社をやめてもまだ不完全燃焼と感じ、いくつかの分野で本を書こうと人にインタビューしたり勉強したりしている。だけど、現役の時のように寝る間も惜しんで、ということではなく、やるでもやらぬでもないという、とてもぬるい、中途半端な打ち込み方なのだ。
F君に近況を聞くとインスタグラムで発信していた。
彼の投稿は、とても自由だ。公開された映画は、まず観てみる。人に本を紹介されるとまず読んでみる。そういう姿勢がすごく大事なのだが、私は、仕事に関連する本、映画、テレビ番組、新聞記事はチェックするが、それ以外は、仕事に関係ない、という感じで、スルーしてしまっている。
66歳。残された命の時間も限られているので仕方がないとも言えるのだが、それでも、本当は世界をもっと広げたい。
ノンフィクション、小説、ベストセラーのビジネス書、色々な趣味の世界の本などなど、本当はもっと読んでみたい。そんなにたくさん読めないのであればーー。
少なくとも、もっと「出会い」を大事にした方がいいのかもしれない。
まずはF君オススメの本や映画を読んでみる、観てみる。
世の中には面白い人はたくさんいるし、友人でもよく考えると、きちんと話をしていないので、もっといろいろな人と話してみたい。それがかなわないのなら、役に立つか立たないかを考えずに、全く知らない世界を本や映画を通じて体験してみたい。
よく、歳をとったら、暮らしをシンプルにとか、断捨離しようとか、言う人がいるが、いくつになっても、人やその人の作品との出会いのチャンスだけはきちんと確保したい。
それこそが、何にもとらわれない自由な生き方をするためのキホンなんだと思う。
