好き!→LINEブログの残骸(2021.12~2023.3)

僕の好きなもの、好きなこと。好きってなんだ?

三菱一号館美術館で「ガブリエル・シャネル展」

 三菱一号館美術館で「ガブリエル・シャネル展」を見た。6月18日から開催されていて、明日9月25日が最終日。展覧会終了日の1日前に慌てて訪ねたが、見逃さなくてよかった。普通、紹介したい映画や演劇などはココログ「とうとう高齢者!」に書くのだが、もう1日しか見られる日はないので、高齢になってからの自分の生き方について書くLINEブログに。反省の気持ちを込めて。
 「ファッションの展覧会など、ファッションに疎い私が見てもきっとわからない」。そんな先入観があり、3か月以上も無視していた。そんなことはなかった。ファッションという身近な世界で起こった革新的なデザイナーの歩みが、その作品とともに一気に見られるのだ。むしろ、あらゆる人が見るべき展覧会だった。
 三菱一号館美術館のホームページによると、「本展は、ガリエラ宮パリ市立モード美術館で開催されたGabrielle Chanel. Manifeste de mode展を日本向けに再構成する国際巡回展」とのこと。オリジナルの企画が多かった三菱一号館美術館だか、その展示空間は、ユニーク。巡回展でも魅力を発揮する。
 今回は各部屋は、真っ暗。そこにスポットライトを当てられたファッション、ジュエリーが幻想的に浮かび上がる。
 展示を黙って見るだけでも、多分、相当楽しい展覧会なのだが、解説が良かった。
 三菱一号館美術館スマホアプリで聴ける無料解説。音声解説が無料なのはありがたい。
 ホームページによると、「ガブリエル・シャネルの仕事に焦点を当てる回顧展を日本で開催するのは32年ぶりのことです。 シャネルのスーツ、リトル・ブラック・ドレスを代表に、どれも特徴的な服はシャネルのファッションに対する哲学を体現しています。さらにコスチューム・ジュエリーやシャネル N°5の香水といった展示に当時の記録映像が加わることで引き立てられ、鑑賞者をシャネルのクリエイションの魅力へと誘います」とあるが、解説を聴くことによって、シャネルが華美な装飾を排し機能的な、けれどエレガントな作品を作っていったことがよくわかる。働く女性が美しくしなやかに見える服の数々。女性の社会進出とも機を一にしてアメリカなどでまず人気を博したようだ。
 一方で、スーツやドレスに飾るジュエリーは、楽しさに溢れ、服との組み合わせによって着る人の個性を際立たせる。
 美術館に作品が展示されるファッションデザイナーはそう多くはないと思う。移りゆくファッションの中でも変わらないものがしっかりある、シャネルだからこその回顧展なのだろう。
 87歳のシャネルの最後の作品も、衰えを感じさせない、素敵な作品だった。
 展示室と展示室の間には緑の中庭が見える廊下が。貴族のお屋敷で作品を楽しむ風情だ。